こんにちは!かむねろと申します!
「猫に小判」や「借りてきた猫」など、日本のことわざには猫が出てくるものがたくさんあります。
その中でも「猫にまたたび」ということわざがあります。
「大好物で、効果がある」というたとえなのですが、「ふーん、猫って“マタタビ”って言うのが好きなんや(何でか知らないけど)」「マタタビって‥何かヤバいやつなんじゃ‥」と思ったことがある方もいるかもしれません。
私は「マタタビ」が植物ということすら最近知りました。
猫がマタタビを摂取することで、どういう状態になるのか、なぜそうなるのかを今年になって発表されたばかりの最新の研究結果と合わせて紹介したいと思います。
この記事を読めば、「猫とマタタビ」の不思議が解決できると思います。
1.そもそも「マタタビ」ってなに?
マタタビとは、キウイフルーツと同じマタタビ科マタタビ属のつる性の植物です。
6月から7月にかけて白い小さな花を咲かせて、その後「ドングリ型」と「虫こぶ型」と呼ばれる2種類の実がなります。
猫が好むのは見た目がデコボコしている「虫こぶ型」の方です。
「虫こぶ型」の実や実を粉末にしたものを猫に与えます。
生息地は日本では北海道から九州までと広い範囲で見かけることができます。
マタタビの果実は熟すると生のまま食べられるそうです。塩漬けやお酒(またたび酒)にしたり、葉とツルも混ぜてお茶に利用されることもあります。
人が摂取することで、猫のような反応が起きる訳ではありませんが、マタタビに含まれる「マタタビラクトン」という物質が、血行促進や疲労回復などに効果があると言われています。
2.猫に対するマタタビの効果
猫にマタタビを与えることで、恍惚とした表情で目を細めたり、体をクネクネさせたりといった反応(マタタビ反応)をします。
また、一部のネコ科の動物でも同様の反応をするようです。
王子動物園が2020年に行われた実験では、ジャガーやオオヤマネコにもマタタビ反応が見られました。
ちなみに、ユキヒョウとマヌルネコは反応なしだったそうです。
マタタビに反応する姿は、まるでお酒に酔っぱらった様にも見えるので、心配になる飼い主さんもおられますが、反応は一時的なものです。
アルコールやタバコの様に、マタタビに依存性はありません。
マタタビを与える事によって、下記の効果が期待できます。
- 食欲増進
- ストレス発散
- 老化防止
食欲増進‥食欲が無い時に、餌にマタタビの粉を少しかけてあげることで食べてくれる事があります。しかし食欲が無いのは病気の可能性もあるので、その心配が無い場合にのみ使用しましょう。
ストレス発散‥マタタビを摂取することで一時的に活発になり動き回ることで、運動不足を解消したりストレス発散になります。
老化防止‥おもちゃにマタタビの匂いを付けることで、オモチャをかじる→脳が活性化する→老化防止になる。という効果が期待できます。
猫が喜ぶからと大量にあげたことによって呼吸困難を起こしたケースがあるので与え方には注意が必要です。
体がまだ未熟な子猫には刺激が強いですし、呼吸器系の疾患がある猫には与えるのを控えた方が良いとされています。
- 与える際は様子を見ながら、少量から試す
- 猫の手が届かない所に保管する
- 子猫や疾患を持つ猫には与えない
と言う点に気をつければ大丈夫です。
用意した爪研ぎを使って欲しい時に、マタタビ粉を少量振りかけることで喜んで使ってくれることがあります。
3.なぜ猫は「またたび反応」が起きるの?
マタタビに含まれる成分により軽い麻痺状態になるため
猫がマタタビに興奮したり酔っ払ったような状態になる理由は、マタタビラクトンやアクチニジンなどの成分の効果により、脳の中枢神経が刺激され、一時的に軽い麻痺状態になることで快楽気分を味わう為と言われています。
人間がアルコールに酔うのと若干似ているかもしれません。
「マタタビ反応」は猫によりますが、数秒から数分ほど続きます。
その後しばらくは慣れてしまうのか、反応しなくなります。
ちなみにマタタビに全く反応しない猫もいます。
理由ははっきりされていませんが、メス猫や去勢・避妊手術を早期に受けた子はその傾向があるようです。
(我が家の猫は、これに当てはまりますが、オス・メスどちらもマタタビに反応していますので「猫による」んだと思います)
最新の研究でマタタビ反応の謎が解明!
今までマタタビ特有の成分により猫が恍惚状態になることは分かっていましたが、マタタビ反応が起きる理由や、なんの意味があるのかは明確には分かっていなかったそうです。
しかし、2021年1月に発表された岩手大学と名古屋大学などの研究チームにより、猫のマタタビ反応が蚊避けの成分であるネペタラクトールを体に擦り付ける為の行動であることが解明されました。
この研究で、まずマタタビの抽出物からネペタラクトールという物質を発見しました。次に、この物質を使って猫の反応を解析したところ、マタタビ反応は猫がマタタビのにおいを体に擦り付ける為の行動であるということが明らかになりました。
ネペタラクトールに蚊避け効果があることも突き止め、マタタビ反応でネペタラクトールを体に付着させて蚊を寄せ付けないようにしていることを立証しました。
おそらく猫がマタタビに蚊避けの効果があると分かって体を擦り付けているのではなく、1000万年以上前の猫の祖先が獲得した本能が今も受け継がれて、こういった行動をしているのではないかと考えられるそうです。
そして、ネペタラクトールの蚊避け効果は人間にも有効なのだそうです。
なぜ猫がマタタビで恍惚状態になるかは謎のままですが、マタタビでうっとりゴロゴロしているうちに蚊避けにもなっちゃった!‥ということですね。
王子動物園の実験で、ジャガーやオオヤマネコはマタタビ反応を示したのに、ユキヒョウやマヌルネコがなぜ無反応だったのか‥と言う点は、野生では高地や岩場に生息する為、蚊があまりおらず蚊を避ける必要が無かったのではないかと推測されています。
(実験する個体数が増えれば分かりませんが)
4.まとめ
いかがでしたか?マタタビがどういう物で、猫にどういった影響があるのかを紹介しました。
猫がなぜマタタビに反応するのか、という長年の謎が日本の大学の研究によりひとつ解明されたなんてすごいことだと思いませんか?
猫好きにとっては、猫の不思議が解明されることにワクワクします!
マタタビの蚊避け成分で蚊避けスプレーを作ったら、蚊は近づいてこない上に猫がすり寄ってきたりするんでしょうかね‥。
うーん、それ最高!商品化したら欲しいです!(笑)
マタタビはどういうものかと知識を持ったうえで、猫とのコミュニケーションの一環として上手に使うといいですね!
では、またねー!
コメント